和歌山県の南紀白浜空港(白浜町)とベトナムを結ぶチャーター便が7月に就航することが決まった。13日開会した県議会で、岸本周平知事が明らかにした。県は同空港への国際線誘致に取り組んできたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などもあり、実現していなかった。県の担当者は「これを機に南紀白浜空港の認知度を高め、インバウンド(外国人観光客)をさらに呼び込んでいきたい」と意気込んでいる。
7月にようやく利用が始まる南紀白浜空港の国際線ターミナル=13日、和歌山県白浜町
県によると、チャーター便は南紀白浜空港とベトナムのハノイとダナンを結び、7月26、30日に計2往復する。機体はエアバス社の「A320」(140席)で、日本からは県関係者らが搭乗し、ベトナム政府などを訪問。ベトナムからは観光客らが搭乗する。また、両国の高校生にも搭乗してもらい、青少年交流も行う予定という。
かつて南紀白浜空港では、韓国や中国、台湾などからチャーター便が乗り入れていたが、税関や検疫の専用スペースがないことなどから、平成30年を最後に就航がなくなっていた。
県はインバウンドを呼び込もうと、令和3年に2階建ての国際線ターミナル(延べ床面積約3800平方メートル)を建設するなど国際線誘致を推進。しかし、その前後に新型コロナ禍が直撃し、個人旅行や海外からの入国者数が制限され、誘致は事実上、棚上げの状態が続いていた。
昨年10月の政府の水際対策緩和を受け、県は今年度予算で約2100万円を計上。一昨年から温州みかんの輸出が始まるなど、県と親交の深いベトナムを対象にチャーター便誘致を進めていた。
今回のチャーター便就航は、海外から紀南地域へ直接、観光客を呼び込む効果が期待される。岸本知事は議会で「今後も空港の活用により、県の観光・交流の促進や経済活性化を図る」と述べた。
(ソース:https://news.yahoo.co.jp/articles/168b59cff6e97b8fe87c6878651b31fcb5027046)